なぜ使い分けるの?
バスも車も無くしちゃいけない大切な「足」だから
結論から言うと、バスも車もどちらがなくなっても困る人がいるからです。
仮に車がなくなったり、車での移動を極端に制限されれば、大きな買い物をするときや、あちこち色々な場所へ移動するときには不便になります。
仮にバスがなくなったり、路線便数が減ると、高齢者や子どもに代表される車を運転できない人たちの大切な移動手段が減ることになりますので、
バスがなくなるのも大変不便です。
車に乗っている人がバスに乗ることは出来ても、車を運転できない人が車を運転して出かけることは出来ません。
バス路線の存続が危ぶまれている今、彼らと将来自分の行動を守るためには、車の乗れる人がバスを利用することも時には必要なのです。
バス利用は車利用者にとってマイナスにはならない4つの理由
「車の乗れる人がバスを利用することも必要」と書きましたが、バスに乗ることは車利用者にとってもメリットがあるのです。 ※詳しくは各メリットをクリックしてください
メリットの一つ目…経済的な理由から
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購入〜廃車までの維持費を計算すると…
車購入費(コンパクトカー)
+
車検代
+
自動車税
+
自動車保険
+
雑費(タイヤ購入など)
↓
合計約500万円
さらにこれにガソリン代が…
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よく、「運賃180円に対してガソリンは50円近く低いから車の方が経済的」なんて思っている方もいるかもしれませんがそうではありません。
交通費を比べるにはもう少し算出しなければならないお金があるのです。それは購入から廃車、買い替えまでにかかる全ての維持費です。
維持費は右の表のようになります。
更にここにガソリン代が加わると、どんなに倹約して乗っていたとしても1日当たり1500円かかり、
倹約をせずに乗ると2000円もかかってしまうのです。(出典:科学警察研究所)
セダンやワゴンタイプの車を購入すれば1日当たりの金額は更に高くなっていきます。
また、市街地の短い距離を走れば発進と停車が多くなり、燃費は幾分落ちます。市街地などの近距離であればバスの方が
合理的かつ経済的であるという考え方もあります。
メリットの二つ目…健康面から
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バスの場合、停留所から目的地まで歩くことがあるのに対し、車の場合ほとんど歩きません。
更に、お店などの入口になるべく近いとことへ車を停めようとしてしまいがちです。
その分運動不足になりやすく、様々な病気にかかるリスクが高くなります。
さらに、喫煙や肥満がプラスされると、健康な人の4割増しで医療費がかかります。
1日1時間以上歩く人と30分も歩かない人では、年間約3万4千円も違うそうです
(出典:厚生労働省研究班)。大金やリスクと引き換えに手に入れた便利の代償はかなり大きいといえます。
大きな病気や足腰が弱って自力で歩けなくなる前に、ちょっとの心がけが必要かもしれません。
実際に公共交通をよく利用する東京の人は北海道の人より歩く事に強いとよく言われてます。
メリットの三つ目…環境的な理由から
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車とバスの各種比較
◆比較1 各種車の燃費
軽自動車=約20km/l
ハイブリッドカー=約30km/l
路線バス=約3km/l
◆比較2 乗車定員
軽自動車=4人
ハイブリッドカー=5人
路線バス=50人
◆比較3 1人当たりのCO2排出量
軽自動車=4分の1
ハイブリッドカー=5分の1
路線バス=50分の1
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エコバッグ、エコカー、エコ通勤、エコポイント…今巷ではエコに関するものであふれています。
それは、エコに関心を持つ人が多いからではないでしょうか。
バスはよく環境に優しいといいます。しかし、残念ながら今のところ「条件が揃えば」と注意書きをつけざるを得ません。
その理由は乗車人数と燃費にあります。 右の表の比較1を見てください。バスの燃費はハイブリッドカーの10分の1の燃費です。
燃費だけで見るとバスの大敗です。
では次に表の比較2を見てください。比較2を見れば一目瞭然ですが、乗車定員ではバスが50人と車を圧倒しています。
比較3では、排出されているCO2を乗車定員で割り、一人当たりが排出するCO2の値を出しました。
車とバスではこれだけ違ってきます。バスが環境に良いと言われるゆえんはここにあるのです。
しかし、この値というのはどちらも定員に達していると仮定しての式なのです。
7〜8人乗りの車でも1人で乗ることもあるように、バスも必ずしも満員とは限りません。
朝夕のラッシュ時であればバスの一人当たりのCO2排出量は低いですが、それ以外の時間帯は車の方がCO2を排出していないかもしれません。
つまり、「人が多く乗る」という条件を満たせば環境に優しい乗り物と言うことになります。
普段車しか使ってない人がバスに乗れば乗るほど1人当たりのCO2排出量が減り、環境に優しくなっていきます。
更に、乗った分だけその道を通る車の数も減るので、渋滞緩和に一役買うかもしれません。
エコに関心がある車利用者にも、ぜひともこういった取り組みに参加していただけるとありがたいです。
メリットの四つ目…事故のリスクに関する理由から
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ご存知ですか? 交通事故に遭う確立は、宝くじで当選する確立よりも高いということを。
宝くじで1等が当たる確率は1千万枚に1枚。 交通事故で死亡する確率は、約2万6千人に1人といわれています。
交通事故に遭う確率だけでいえば、172人に1人、つまり宝くじの1等の約5万8000倍という
高確率なのです!
また、50年間車に乗り続けると3分の2のドライバーが人身事故を起こし、250人に1人が
死亡事故の加害者になるそうです(出典:日本損害保険協会)。
バスを利用していれば、加害者になることもありませんし、ドライバーとして人身事故を起こすこともありません。
その上、バスの交通事故件数の割合は全体の0.4%にしかすぎません。
いかにリスクなく移動できるかが、お分かりになると思います。
参考
これらの理由からバスの利用は必ずしもマイナスにはならないということが分かっていただけたと思います。
もちろんだからと言って毎日バスに乗ってとは言いません(もし毎日乗れば、計り知れないほどの絶大な効果を生みだしますが)。
例えば1週間に1回、1月に1回でもいいので「この日だけは車に乗らずに移動しよう!」と自分ルールを決めて、
自分の中のバスの日を作ってみたり、リスク回避や体への配慮を思い立ったら「バスを利用してみようか」
と思っていただけるとありがたいです。 そしてこれらの理由をたまにでいいので思い出してあげてください。
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